妊娠中の歯のトラブル

妊娠中の歯のトラブル妊娠中は、女性ホルモンの量が特に増加し、ホルモンバランスが変化するだけではなく、口腔では、唾液や胃液など消化液の性質も変化することにより粘り気のある唾液がたくさん出るようになります。
また、つわりによって口腔清掃が十分にできず、食べかすがたまりやすくなり、むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなるといわれています。

歯周病とは?

歯周病の症状と影響

歯周病は生活習慣病のひとつで、自覚症状が少なく自分では気づかないことがあります。
喫煙、ストレス、糖分のとりすぎにより細菌の活動が活発になったり、からだの抵抗力が落ちたりすると、歯周病が悪化します。
歯周病になると、歯周病菌が血液にのってお口から全身へ運ばれたり、気管から肺へと進入したり、からだへ影響を及ぼし肺炎、心疾患、呼吸器疾患、骨粗しょう症、糖尿病、早産や低出生体重児などを引き起こす原因になることもあります。

 

歯周病の最大の原因は?

歯周病の最大の原因は歯垢(プラーク)です。十分なブラッシングが行われていないと、細菌が出す毒素により歯肉に炎症が起こります。
さらに、進行すると歯周ポケットが形成され、歯を支える組織を破壊し、重度の歯周病になると歯がグラグラして抜けてしまいます。

歯周病の最大の原因は?

妊娠中のケアで大切なこと

妊娠中は、毎日の「歯」のケアと適切な時期での歯科治療と歯科検診を受けることがとても大切です。

ブラッシング

「食べたらみがく」が基本です。特に寝ている間は、唾液量が少なく、細菌が繁殖しやすいので就寝前はみがき残しがないようにていねいにブラッシングしましょう。

ブラッシングのポイント

ブラッシングのポイント

歯間清掃用具で効果的にプラーク除去

デンタルフロス、糸ようじ、歯間ブラシで歯と歯肉の歯垢(プラーク)をより効果的に取り除くことができます。

歯間清掃用具で効果的にプラーク除去

薬用洗口液の併用をおすすめ

薬用洗口液は、20~30秒ブクブクうがいをすることで歯垢(プラーク)の菌を殺菌し、歯肉炎、口臭等を防ぎます。ただし、歯みがきのかわりにはなりませんので、日常のブラッシングはしっかりと行って下さい。

 

歯科治療や歯科検診の時期

妊娠中の歯科治療、歯科健診は通常問題はありませんが、妊娠約5~8カ月(16週~31週)の安定期が最も適しています。
妊娠中に限らず、少なくとも年1回は歯科医院を受診し、歯とお口の健康を心がけましょう。

コンテンツ提供:沖縄県/(一社)沖縄県歯科医師会 「赤ちゃんの歯の健康づくり」より