「フッ化物塗布」は歯に直接フッ化物を作用させる方法で、
綿球で塗ったり歯ブラシで塗ったりします。
歯科医師や歯科衛生士など専門家が行う方法です。
歯が生えた1歳頃から、定期的に塗布を受けることが効果的です。
また、歯周病で根元が露出した歯のむし歯予防にも効果があります。
フッ化物の応用
❶フッ化物入り歯みがき剤
●歯みがき剤の量は、大豆程度を歯ブラシにつけてみがき、最後に軽くうがいをします。何もつけない方がみがきやすい場合は、何もつけずにみがいた後、仕上げみがきとして歯の表面にフッ化物を塗るつもりで使用するとむし歯予防の効果が期待できます。
●歯みがき後のうがいは少量の水で少ない回数の方が予防効果が高くなります。
●うがいを必要としないフッ化物スプレーやジェル等もあります。
❷水道水フッ化物添加(フッ化物濃度適正化)
●赤ちゃんから、お年寄りまで、また、障害のあるなし等にかかわらず、水を飲むだけで確かな虫歯予防効果が得られます。
❸フッ化物洗口
●うがいが上手にできるようになる4歳頃から永久歯がそろう中学生頃まで行うと効果的です。
●洗口液を5~10ml口に含み、液がよく歯に行きわたるように1分間うがいをし、吐き出します。
●家庭でもできますが、健康教育の一環として集団で行うと、より継続しやすくなります。
●かかりつけ歯科医、嘱託歯科医、学校歯科医等にご相談下さい。
久米島でのフッ化物洗口の取り組み
平成3年度頃から久米島町では保育所、幼稚園、小・中学校でのフッ化物洗口の取り組みが始まりました。現在では12才児(中1)一人平均むし歯経験歯数が1本以下になり、県平均の約1/3、全国平均以下という高いむし歯予防効果を上げています。
久米島町以外でも、那覇市、沖縄市、宮古島市、浦添市、石垣市等の保育所で取り組みが広がっています。
年令に応じた応用と効果
方法 | 濃度(ppm) | むし歯予防効果 |
---|---|---|
水道水フッ化物化 | 1 | 永久歯 50~60% 乳歯 40~50% |
フッ化物洗口 | 100~900 | 永久歯 40~60% |
フッ化物塗布 | 9000 | 20~40% |
フッ化物入歯みがき剤 | 1000 | 20~30% |
身近にあるフッ化物
フッ化物は、自然界の中でも広く分布している元素の一つで、海水、河川水、地中にも含まれ、食物や人の体にも含まれています。しかし、通常植物から摂る量では、むし歯予防には足りません。フッ化物はどこにでもある自然環境物質です。(単位ppm)
ppmとは100万分の1の割合を示す単位。例えば、ある物質1kg中に1mgのフッ化物が含まれている場合、その物質のフッ化物濃度は1ppmとなる。(数値は飯塚喜らの報告を参考にした。)
フッ化物は微量栄養素の一つ
年齢 | 誕生~3 | 3~5 | 5~13 |
---|---|---|---|
フッ化物量 | 0.25mg | 0.50mg | 1.00mg |
フッ化物の安全性について
1度に過料のフッ化物を摂った場合に最初に表れる症状としては悪心や嘔吐があります。体重20kgの子供の場合、40mg以上を一度に摂った場合にこのような急性症状が表れます。ところで、週1回法の場合の1人分のフッ化物洗口液中のフッ化物は9mgです。したがって、1人分誤って飲み込んでも症状は表れません。
バランスの取れたむし歯予防!!
むし歯を予防し健全な歯を守ることは、生涯を通じたお口の健康の基本です。
むし歯予防は、甘いものを控え、歯みがきで歯垢を取り除くことに加えて、フッ化物を使うことで初めてバランスの取れたものになります。
フッ化物についての相談等は
かかりつけ歯科医、又はお近くの保健所へ
コンテンツ提供:沖縄県福祉保健部 健康増進課 「歯の健康 フッ化物の応用」より