かかりつけ歯科医とは?むし歯や歯周病等のトラブル発生時はもちろん、
定期的な健診やケアで、あなたのお口の健康をサポートしてくれる歯医者さんのこと。

気づかないうちに進行する歯周病

歯周病は歯の表面につくプラーク(歯垢)によって起こる、歯の周りの病気で、歯肉炎と歯周炎の総称です。歯肉炎(歯ぐきの炎症)が最初の段階で、さらに骨が壊されてしまうため歯がグラグラ動くようになり、最終的には歯を支える事ができなくなって抜けてしまいます。
歯周病の特徴は気づかないうちに進行していくことです。痛みや腫れが少ないために歯がグラグラしてくるまで放置してしまう場合が少なくありません。

気づかないうちに進行する歯周病

プラークがもとで歯ぐきと歯の隙間に菌が入り込み、炎症を起こします。

気づかないうちに進行する歯周病

炎症が拡大し、歯を支える骨「歯周骨」も破壊され、歯が動くようになります。

気づかないうちに進行する歯周病

歯周骨が後退し、支えを失った歯はグラつくようになってしまいます。

放っておくと最終的には歯が抜けてしまうことになります。
そして近年では、歯周病が生活習慣病などの全身の疾患と関連していることも分かってきました。

歯周病と関連している疾患

歯周病と関連している疾患

歯周病の認知内容

歯周病の認知内容

歯周病の原因と糖尿病との関係

歯周病の原因

歯周病には大きく分けて3つの危険因子があります。

細菌因子細菌プラーク・歯石
宿主因子歯周病を起こりやすくする体の状態
環境因子歯周病を起こりやすくする生活習慣。歯周病は生活習慣病の一種です。

糖尿病の多くは生活習慣病!

糖尿病は血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態(高血糖)が慢性的に続く病気で、特有な症状として、口渇、多飲、多尿、体重減少があります。

歯周病は糖尿病の合併症!

糖尿病により慢性の高血糖の状態が長く続くと、合併症を発症する確率が高くなります。 近年「網膜症」「腎症」「神経障害」「心疾患」「脳卒中」に次いで「歯周病」は6番目の合併症としてとらえられるようになりました。
 
主な合併症
1.網膜症 2.腎症 3.神経叢外 4.心疾患 5.脳卒中 6.歯周病
※1~3は3大合併症

糖尿病が歯周病を引き起こしやすくなる理由

①血流が悪くなる(毛細血管の破裂)
②細菌に対する抵抗力が低下する(白血球の機能低下)
③唾液や浸出液の糖分が上昇する(唾液の減少)
④症が拡大しやすい(組織修復機能の低下)

歯周病の悪化を防ぐことで血糖値コントロール改善へ

歯周病の炎症によって出てくる物質が、インスリンの血糖値をコントロールする働きを妨げて、糖尿病の状態を悪くすると言われています。 また、歯周病で歯に痛みがあったり、歯を抜いたままの状態では、きちんとバランスのよい食事ができなくなり、糖尿病の食事療法が正しく進められなくなります。

糖尿病と歯周病の悪化のスパイラル

この悪循環を断ち切るために、糖尿病と歯周病の治療が必要です。例えば糖尿病の方が歯周病の治療をすることにより歯周組織の炎症が改善すると、インスリンが働きやすい状態になって、血糖コントロールが改善する可能性があることが報告されています。

糖尿病治療は医科と歯科の連携がポイント!

糖尿病治療は、これまでの薬物療法・運動療法・食事療法の3本柱から、禁煙と歯周病治療を加えた5本柱へとシフトしています。

糖尿病治療の5本柱

歯周病の治療は、自宅におけるセルフケア(歯ブラシ、歯間清掃具を使った歯みがき)と歯科医院でのプロフェッショナルケア(歯石除去や歯周組織のコントロール)が必要です。糖尿病と歯周病は表裏一体です。
医科のみでなく、かかりつけ歯科医を決めて取り組みましょう。治療後も、定期的な受診がとても重要となります。

糖尿病治療は医科と歯科の連携がポイント!

コンテンツ提供:沖縄県保健医療部 健康長寿課/(一社)沖縄県歯科医師会 「糖尿病と歯周病」より