概要

日時

平成29年2月5日(日)午前9時~正午

場所

石垣市健康福祉センター 2階 視聴覚室

対象者

歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・その他歯科医療従事者

参加費

無料

演題

『根管治療の難治症例とその対応』

講師

日本歯科大学新潟生命歯学部 歯科保存学教室第一講座 五十嵐 勝先生

申込締切

平成29年1月23日(月) ※厳守

講演内容

根管治療の難治症例とその対応

日本歯科大学新潟生命歯学部
歯科保存学教室第一講座 五十嵐  勝

 

歯髄疾患や根尖性歯周組織疾患の治療で行われる根管治療は、複雑な形態を持つ根管を対象としています。直視困難な髄室や根管という狭い空間に対し煩雑な治療が行われるため、根管内作業は手探りの処置となり、決して簡単な単純治療とはいえません。感染根管においては、排膿が止まらない症例や咬合痛などの不快症状がなかなか消失しない難治症例も起きやすいのも事実です。それらに対応するには的確に原因を把握し、その除去に努めることが大切です。治療時間に制限のある日常診療の中で治療を急いだ結果、自ら難治症例を作り、また偶発事故を起こすこともあり、基本的な術式を身につけるとともに発現時の対応索を準備しておくことも重要です。
近年超高齢化社会にある本邦では、8020運動の成果により、高齢者の歯の保有率が上昇しました。口腔内に残存する歯は、加齢に伴い歯髄腔の石灰化と根管狭窄が起こり、歯の咬耗や歯根の露出症例では、根管口が狭窄し根管探索も難しくなります。
21世紀の歯内療法は、困難性の克服のために多くの改良・開発・導入が進みました。その例として、ニッケルチタンロータリーファイルの改良、ルーペや歯科用実体顕微鏡などを併用したマイクロエンドドンティックスの普及、超音波機器を応用した根管治療の改良、歯科用CBCTの開発導入、ウォームガッタパーチャ法による三次元的根管充填法の再認識などが挙げられます。
本講演では、現在行われているスタンダードな歯内療法を紹介し、根管治療の基本的を確認しながら、症例を通して難治症例の原因を考え、それらの対処法や防止策について解説したいと思います。