フッ化物応用研修会の開催について(9/19)
概要
日時
平茂28年9月19日(月:祝)午前10時~正午
場所
沖縄県口腔保健医療センター 2階 大研修室
対象者
歯科医師・歯科衛生士・医師・保健師・医療従事者
参加費
無料
演題
『フッ化物応用の科学的アプローチ -反フッ素運動への対応を含めて-』
講師
東京歯科大学衛生学講座 教授 眞木 吉信先生
講演内容
フッ化物応用の科学的アプローチ -反フッ素運動への対応を含めて-
東京歯科大学衛生学講座 教授 眞木吉信
いま、なぜフッ化物応用か
日本人の疾病構造は第2次世界大戦後、結核などの感染性疾患や急性疾患から、」いわゆる生活習慣にその原因があるとされる慢性疾患の「生活習慣病」へと変容したことから、少子高齢化が進み人口構成が大きく変化しました。このような疾病構造と社会環境のめまぐるしい変化と、疾病予防を重視する健康観の変遷を受けて、中央集権的で画一性を重んじた疾病管理中心の「公衆衛生」によって「健康をまもる」から、地域特性を重視した住民参加型の健康教育や保健指導によって「健康づくり」を推進していこうという「地域保健」への新しい流れが根底にあります。
フッ化物の局所応用については、平成15年から平成19年に施マニュアル」、「フッ化物配合歯磨剤マニュアル」、「フッ化物歯面塗布実施マニュアル」という3部作が出版されました。 これらのマニュアルは、フッ化物の効果的で安全な応用法を示した最も新しい出版物であり、従来の手法とは全く異なる部分も少なくありません。さらに平成22年には、日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会編として「フッ化物応用の科学」(口腔保健協会、東京、2010)が出版されました。
フッ化物応用の実践と問題点
今回は「歯の萌出直後から始めるフッ化物配合歯磨剤の効果的な使い方」、「フォームやゲルといった新しいフッ化物歯面塗布の術式」さらには「厚生労働省のガイドラインに基づくフッ化物洗口事業」の新たな展開など、カリエスリスクに応じたフッ化物の局所応用法を中心に、健康格差縮小の観点から、地域保健および診療所におけるエビデンスに基づいた科学的な実施方法とそのう蝕予防効果の話をさせていただきます。さらには、チタン、ポーセレン、コンポジットレジンといった歯科材料とフッ化物応用の問題点や「反フッ素運動」にみるようなフッ化物をめぐる誤解への対処法も考えてみたいと思います。
参考文献
1)フッ化物応用研究会編:う蝕予防のためのフッ化物洗口実施マニュアル、社会保険研究所、東京、2003.
2)フッ化物応用研究会編:う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤応用マニュアル、社会保険研究所、東京、2006.
3)フッ化物応用研究会編:う蝕予防のためのフッ化物歯面塗布実施マニュアル、社会保険研究所、東京、2007.
4)日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会編:フッ化物応用の科学、口腔保健協会、東京、2010.
5)眞木吉信 編:フッ化物をめぐる誤解を解くための12章、医歯薬出版、東京、2014.かけて厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究」班より、う蝕予防のための「フッ化物洗口実」